公式や定義,定理,法則,公理の違いについて

数学の公式とか法則って何が違うの?

辞書を引きながら考えてみようか。

公理

公理(こうり)

数学の理論体系で定理を証明する前提として仮定するいくつかの事柄。

スーパー大辞林3.0 三省堂

公理は後で説明する定理を証明するために仮定されたものだ。前提なので公理そのものは成り立つことを前提にしていることがポイントだ。例を挙げるならイタリアの数学者ペアノが自然数を定義したペアノの公理がある。

ペアノの公理

(1)1は自然数である。
(2)各自然数に対して、その後者とよばれる自然数がただ一つある。
(3)相異なる自然数の後者は相異なる。
(4)1はいかなる自然数の後者ともならない。
(5)自然数の部分集合Mが1を含み、かつ自然数nを含めば、かならずnの後者も含むときには、Mは自然数全体のなす集合である。

日本大百科全書(ニッポニカ) 小学館

1行目しか分かんない・・・。

「自然数とは何か」をこうなる、程度で構わんよ。そして前提なので「1は自然数である」を証明することは出来ない。

定義

定義(ていぎ)

ある概念の内容やある言葉の意味を他の概念や言葉と区別できるように明確に限定すること。

スーパー大辞林3.0 三省堂

例えば、$2^3$は$2 \times 2 \times 2$と2を3回掛けていることを表しているが、これは定義であって、こう書こうと取り決めたものだ。

じゃあ私が新しい書き方を作ってもいいの?

もちろん自分で定義することも出来る。問題を解くときに、2次方程式の解の判別式を$D$としているのも定義になる。ただし暗黙の了解として広まっている定義を変えることは望ましくないし、それを広めるのは大変困難なことだ。

なんかルールみたいなものなのね。

定理・公式

定理(ていり)

公理に基づき、論証によって証明された命題。また特に、重要なもののみを定理ということがある。

スーパー大辞林3.0 三省堂

公理を元に作られたもので、正しいと示された(証明された)ものが定理だ。有名なものとして直角三角形の辺の長さの関係を表したピタゴラスの定理$a^2 + b^2 = c^2$がある。

公式(こうしき)

計算の方法や法則を示すために文字を用いて表した式。

スーパー大辞林3.0 三省堂

そして公式という言葉だが、本来は定理や法則に含まれる式を指すものだ。しかし定理や法則そのものを指して使われる例も多い。

数学に出てくる便利な式って、まとめて公式ってよく言うものね。

法則

法則(ほうそく)

一定の条件のもとで、必ず成立する事物相互の関係。また、それを言い表した言葉や記号。

スーパー大辞林3.0 三省堂

こいつが曲者でな。数学以外の分野で使われることもあって、幅広い意味を持つ。物理学の慣性の法則ように経験則で得られるものもあれば、ムーアの法則のように予言に近いものまである。

ちなみに数学だと、交換法則$A + B = B + A$やド・モルガンの法則$(\overline{A \cup B}=\overline{A}\cap\overline{B})$などがある。明らかに正しいことが明白であるものから、証明できる定理のようなものまで様々だ。

ふーん、とりあえず色々ゴチャゴチャ混ざっている訳ね(鼻ほじ)。

まとめ

公理:証明するまでもなく正しいとされるもの。

定義:事前に取り決めたもの。

定理(公式):公理や他の定理を元に,証明によって正しいことが示されたもの。

法則:公理や定理が混在しているもの。

という訳で、なぜ公理や定義が成り立つのかという質問は愚問になる。たまに「なぜ$\sin \theta = \cfrac{高さ}{斜辺}$はどこからやってきたの?」という質問をする人がいるが、それは「動物の乳に酵素を加え加工したもの」をなぜ「チーズ」と呼ぶのかという質問と等しい。

誰かがチーズって呼び始めたという理由以外にないわけね。

ただここまで話しておいて言うのも何だが、これらの使い分けは人や地域によって違うこともある。そこまで厳密に気にし過ぎるのも必要もない。公理及び定義と定理(公式)の区別が付けば大丈夫だろう。

意外といい加減だなぁ・・・。

何事も神経質に考え過ぎるのも良くないってことだ。

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